2012年1月27日金曜日

農薬のはなし② 農薬の安全性試験


前回の続き
農薬の安全性試験について


新規薬効物質の探索で目ぼしい物質が見つかったら、次のステップである安全性試験へ進みます。

安全性試験
急性毒性
経口毒性試験
経皮毒性試験
吸入毒性試験
眼刺激性試験
皮膚刺激性試験
皮膚感作性試験
急性神経毒性試験
急性遅発性神経毒性試験
短期毒性
90日間反復経口投与試験
21日間反復経皮毒性試験
90日間反復吸入毒性試験
反復経口投与神経毒性試験
28日間反復経口投与遅発性試験
長期毒性
1年間反復経口投与試験
発がん性試験
生殖毒性
2世代繁殖毒性試験
催奇形性試験
遺伝毒性
復帰変異原性試験
染色体異常試験
小核試験
特殊毒性
生体機能影響試験
解毒・治療に関する試験
動物代謝試験
動物体内運命に関する試験

代謝や分解、残留に関する試験
植物代謝試験
適用を受ける植物群から試験に用いる作物を選択
土壌代謝試験
好気的湛水土壌中運命試験
好気的及び嫌気的土壌中運命試験
水中運命試験
加水分解運命試験
水中光分解試験
残留分析法の確立
すべての適用作物および2種類以上の土壌
作物残留試験
適用を受ける全ての農作物について2例以上
土壌残留試験
容器内試験
圃場試験
後作物残留性試験
水質汚濁性試験


農薬の環境や生態系に対する影響評価に関する試験
有効成分の性状、安定性、分解性に関する試験
色調
形状
臭気
スペクトル
融点
沸点
蒸気圧
水や有機溶媒に対する溶解度
土壌吸着性
オクタノール/水分配係数
密度
加水分解性
解離定数
熱に対する安定性
水中光分解性
水産動植物への影響に関する試験
魚類急性毒性
ミジンコ類急性遊泳阻害および繁殖毒性
藻類生長阻害
水産動植物以外の有用生物への影響に関する試験
ミツバチおよび蚕影響試験
天敵昆虫等影響試験
鳥類影響試験


書くのだけでも大変なくらい膨大な量の試験が行われます。
この様な試験が農薬の化合物に対して行われるだけでなく、動物、植物、土壌中等の代謝物についても安全性試験がなされます。


農薬の使用量の限度は、これら試験の結果から算出した量に、さらに安全係数をかけて導き出されます。
つまり、農薬を間違った方法で使用しなければ、人間の考えうる範囲では安全と言えそうです。
続く


フルカワ
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...