2011年9月9日金曜日

農薬のはなし① 農薬ができるまで

デザイン・合成された農薬のうち、最終製品になるのはたった10万個に1つである事をご存知でしょうか。農薬の開発には極めて多岐にわたる研究と長い歳月、膨大な経費を要し、新規化合物が発見されてから、市場に出すまで10年以上、総費用100億円以上かかるといわれています。

農薬の開発はまず、下記の様に新規農薬の探索がされます。
  • ランダムに数多くの化合物を合成、自然界から抽出・単離したりして、それらの活性(殺虫、殺菌、殺草)を調べ、適切なものを選び出す方法
  • 既に実用化されている農薬や生物活性を持つ化合物とよく似た化合物を合成して試験を行い、より良い物を選び出す方法。
  • 理論的に、生化学的、生理学的、生物的な標的の生物の代謝を阻害、亢進する可能性がある化合物を合成して選抜試験にかける方法。1番理論的で、遺伝子情報に基づくゲノム創薬の手法も導入されているものの成功例は少ない。
このような探索を経て、農薬としての手がかりとなる物質を発見すると、それを基に化学構造の修飾(官能基変えたり)を行うことで、より活性の高い、安全性が高い、選択性が高い、環境への影響が少ない物質が探索される。

このように開発候補化合物が選抜されたら、安全性試験などの各種試験に入っていきます。

つづく

参考:農薬工業会、農薬の科学(朝倉書店)


フルカワ

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