2012年3月9日金曜日

天然成分だから安全か


然成分=安全といえるのでしょうか。

食品や化粧品などのCMで”天然由来の成分だから安全・安心”と言われていますが、天然=安全とはならないはずです。
天然由来の物質にしても、合成物にしても、しっかりとした安全性試験を行って初めて安全と言うことができるというのが私の見解です。

よくよく考えると、カビ毒も天然由来成分ですよね。蚊取り線香の成分である除虫菊も天然由来成分。
動植物は危険から自身を守るために進化の過程で毒を身に付けた種類もあります。

少しここで、物質の毒性をみてみましょう。
物質の毒性はLD50値で示します。
LD50値とは、動物実験で動物の半数が死んだ投与量を表します。
つまりLD50値が低いほど毒性が強い、高いほど毒性が低いことを表します。


各種化学物質の急性経口毒性(LD50値)
物 質 含まれる物質、用途 ラット、マウス
LD50(mg/kg)
食 品 カプサイシン
カフェイン
ソラニン
ビタミンC
食塩
トウガラシ(辛味成分)
コーヒー、茶
じゃがいも(芽毒成分)
野菜、果物
調味料
60-75
174-192
450
11,900
3,000-3,500
医薬品 ジギタリス
コルヒチン
インドメタシン
モルヒネ
アスピリン
強心剤
消炎剤
消炎剤
鎮痛剤
解熱剤
0.4
1.7
12
120-250
400
天然毒素 ボツリヌス毒素
破傷風毒素
パリトキシン
テトロドトキシン
アマニチン
コブラ毒
アフラトキシン
ニコチン
デオキシニバレノール(DON)
食中毒原因菌生成毒
破傷風細菌の生成する毒素
サンゴ毒
フグ毒
キノコ毒※
ヘビ毒
カビ毒
タバコ
カビ毒
0.00000032
0.0000017
0.000050
0.0085
0.3
0.5
ラット 7
24
マウス ♂70 ♀49.4
農 薬 パラチオン
クロルピリホス

アセフェート

ピレトリン
MEP(フェニトロチオン)

ブプロフェジン

イソプロチオラン

チオファネートメチル

グリホサート(酸)
殺虫剤(有機りん剤、登録失効)
殺虫剤(有機りん剤)

殺虫剤(有機りん剤)

殺虫剤(合成ピレスロイド剤)
殺虫剤(有機りん剤)

殺虫剤(昆虫成長制御剤)

殺菌剤

殺菌剤

除草剤
ラット ♂13 ♀3.6
ラット ♂163 ♀135
マウス ♂88
ラット ♂945 ♀866
マウス ♂480 ♀520
ラット ♂747 ♀519
ラット ♂330 ♀800
マウス ♂1,030 ♀1,040
ラット ♂2,198 ♀2,355
マウス ♂♀ >10,000
ラット ♂1,190 ♀1,340
マウス ♂1,350 ♀1,520
ラット ♂7,500 ♀6,640
マウス ♂3,514 ♀3,400
ラット ♂11,343 ♀10,537
その他 メラミン
青酸カリ
樹脂原料、接着剤、成形剤等
工業用途
ラット 3141
ラット 10


天然毒素でも非常に毒性の高い物がありますね。
食塩などの食品も、量が過ぎれば毒となります。
これからは「天然成分=安全」と言う認識はしない方がよさそうです。
フルカワ
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